■やさしくて美しい「和紙」■

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■やさしくて美しい「和紙」 第1回 曇徴■

4世紀ごろ、中国で作られた紙が、朝鮮に伝わり、写本や外交文書として日本に伝来しました。
610年に、絵具や紙、墨などをつくる名人、高句麗の僧、曇徴(どんちょう)が、紙すきの技術を伝えたと言われています。
日本ですかれた最古の紙は、702年に、正倉院に所蔵された美濃(現、岐阜県)、筑前、豊前(現、福岡県)の紙で、戸籍用に使われていました。
また、奈良時代の「正倉院文書」には、約20カ国の紙産地が記録されています。文献では、写経用に大量の紙が、すかれ、710〜772年(和銅3〜宝亀3)におこなわれた「一切経」の写経では、約1101万5000枚!の紙が使われました。
日本人は、昔から勤勉だったんですね。


■やさしくて美しい「和紙」 第2回 板締染紙(いたじめそめがみ)■

和紙と言ってもいろいろな種類があります。
書くための和紙から、折り紙など楽しむ和紙、障子紙など用途も様々です。

さて、その中から今回は「板締染紙」を紹介します。
江戸時代には、浮世絵などのため、和紙はたくさん生産されましたが、また芸術として飾り物の紙花も楽しまれました。今も、ちぎり絵など楽しまれていますよね。
花や実をより本物らしくするためにこの板締染紙を使いました。
板二枚で固く紙を挟んで染めて模様をつくったものです。それで、この和紙には折り目がついてるんですね。

今回は、この和紙を使って行灯を作ってみました。
桃の季節にぴったりの和紙行灯「籠灯」は、こちらです。


■やさしくて美しい「和紙」 第3回 水切り■

和紙は、はさみやカッターなどで切るよりも、ちぎったり裂いたりする方が独特の味わいがあります。

まず、裂きたい場所をしっかりと折ります。そして、折り目を水を付けた刷毛などで湿らせます。
水で湿らせた折り目を開いてテーブルなどの角に当てて裂きます。繊維がけばけばしてできた産毛のような裂け目を水切りといいます。
和紙独特のおもしろさで、私は行灯の紙は、こうやって裂いています。


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