デパート催事のプチ裏話■ |
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お申し込みは、こちらからどうぞ。いつも、するがやご利用のお客様には、ご迷惑をおかけしています、デパート
の実演販売。
お詫びに、そのお話をしましょうね。
■ 1 ■
デパートの催事は、大きく分けると場所が2つに分かれます。
まず、北海道物産展とかのように、催事場で開かれる場合。
これも、食品などと一緒に開かれる物産展と、工芸品の職人展がありますね。
これは、集客力はありますが、ばたばたして、落ち着きがないですね。するがやがよく開くのは、売場の催事です。
伝統工芸は、陶器や漆器のように食器が多いので、特に食器はないのですが、竹細工のうちも、和食器売場です。
催事場ほど、集客力はありませんが、落ち着いてお客様ともお話しできるので、こちらが良いようですね。こうした催事の依頼は、取り引きしている問屋さんから来ます。
問屋さんは、「夏の催事業者リスト」があり、うちもその中に入っています。もう、10年以上、あちこちで開いていますが、最初の頃、驚いたのは、デパートの店員さんの関心のなさでした。
ちらっとは、見てくれるのですが、商品説明を聞こうとするでもなく、売ってみようとでもなく、すべてこちらににお任せという態度にあきれてしまいました。デパートの店員さんからしてみると、毎週変わる催事をいちいち見ていられないとのこともありますが、本当のところは、出入りの問屋さんからの派遣店員が多くて、よその問屋さんの催事は、関わりたくないと言うことの方が大きいようです。
最近では、すっかりその辺の呼吸は慣れて、かえってマイペースでできることがうれしく思ったり、また毎年開催させてくれるお得意さんには、「今年もあんたの顔見ると、夏って感じだよね〜」と喜ばれるようになりました。
さて、今回、行っている、ながの東急さんは、地域一番店なので、新企画の商品が面白いように売れる元気な売場なんです。
今回も特に土日は、たくさんのお客さんが入っています。明日は、天気が今ひとつのようですが、楽しく実演してきたいと思います。
■ 2 ■今回のながの東急さんには、夕方5時につきました。すぐに担当者が飛んできてくれました。
ところが現在開催の催事は、7時閉店後の撤収とのことです。タイムリミットは、お店によって違い、今回のように、閉店後からと言う厳しいお店もありますが、こういうお店はだいたいお客様を大変大切にしているお店、つまり繁盛店が多いようです。
ただ、業者にとって、なかなか厳しくて、片づけ終わると9時過ぎ、次回の催事の展示は、その後から始まりますから、11時すぎまでかかることがあります。
店員さんも毎週のことで、あきらめているような慣れているようで、別に驚きません。
また、午後からでいいよ、なんて言うお店もあります。お客様を大切にしていないわけではないのでしょうが、残念ながら平日の昼間は、入りも少なく、早めにやって、残業をなくそう、と言うお店でしょう。
今回の東急さんは、さすが地域一番店。でもそれって11時コース? ちょっとびびります。
ま、ホテルは、近いし・・・。でも、8時ごろになったら、売場のみなさんが、集まって応援してくれました。おかげさまで9時には終わりました。
うれしくて、「皆さんのおかげで、とってもかっこよく並べられました」と演説してしまいました。クスッと笑われましたけど。とても和やかな、お店です。
■ 3 ■
今回は、初日のお話です。
みんなでならべた時の初日というのは、商品が整理されていないので、これを直すのにひどい時には、1日かかったりします。やっぱり、売りたい商品、売れる商品をならべる場所というのは決まっています。するがやの場合、売りたい商品は、駿河竹千筋細工の花器、虫籠、それから風鈴です。
デパートの用意してくれるミニ垂れ幕にも「駿河の竹細工、産地直送」とか書いてあります。自分たちの作っている商品は、じっくり良いところを説明して、分かってもらいたい気持ちが強いので、実演の身近に起きます。
また、よく売れるのは、季節的に、風鈴の他に、扇子、うちわ、それから、なつかしいおもちゃです。こうした商品は、気軽に手に取れるところにあった方がいいですね。案外、実演場所から離れたところの方がいいようです。
さて、「お客様は、店員のお尻が、好き」 といいます。
別に若い美人店員さんにかぎりませんよ。
手ぐすね引くように、こっちを向いて待っていて、「いらっしゃいませ!何かお探しですか?」
どれか商品を触るようでしたら、「お客様!それはいい商品ですよ」と来られるとたまりません。それより、ニコ!として品出ししている店員さんの方が、商品を楽しみやすいですよね。
がふうは、よくスーパーへ、行きますが、お尻を向けた店員さんには、とても弱く、ついつい買ってしまいます。
新鮮なことも多いですしね。初日のうちのお店も同じで、ばたばたしているうちに、よく売れて1日が、あっと言うまでしたよ。
■ 4 ■実演販売といってもいいことばかりではありません。
長野では、金土日の実演だったので、お客様も多かったのですが、その前の大宮は、毎日でした。土日は、まあ良いのですが、月曜日は、極端に減ります。売場にもなんとなく暇な空気がただよっています。
エスカレーター前の調理器の実演さんもだいぶお疲れの様子、いつもよりせりふが少ないみたいです。かわいそうなのは、実演すればするほど、野菜などの材料代がかかること。
おいしそうに切っても、全て捨ててしまうそうです。もったいない。朝晩のビタミン補給に役立てればいいのにと、同じ旅人の私は、思います。
さて、先週に引き続き、網代編みの実演です。
網代は、編めば編んだだけ、仕事になります。なので、この日のようにお客様が少ないときは、この実演は有利です。
いつもなら、せいぜい一日6枚程度、暇な日でも8枚程度ですが、絶好調!すいすい編めて、なんと12枚!自己ベストでした。そんながんばりを見ていてくれたのか、閉店間近、父の夢殿虫籠も売れました。お茶の先生だそうです。ありがとうございます。
■ 5 ■どんな催事も最終日は寂しいものです。
売れている催事、あまりお客さんが入らなかった催事、いろいろありますが、胸はずませて始めて、あっという間の1週間が終わります。
とってもきれいに展示されていますが、かたづけなければなりません。感傷にふけっている場合ではなく、時間との戦いになります。
タイムリミットは、お店によって違い、閉店後8時頃からと言う厳しいお店もありますが、こういうお店はだいたいお客様を大変大切にしているお店、つまり繁盛店が多いようです。
ただ、業者にとって、なかなか厳しくて、片づけ終わると9時過ぎ、次回の催事の展示は、11時すぎまでかかることがあります。この終了時間を守らないと、次の業者さんの始まりがずれてかわいそうです。
「駿河竹千筋細工」のかたづけは、だいたい2時間くらいかかります。今回は売れ残っても、また次回はお客様の手に渡るはずの大切な商品です。壊れないように箱に入れます。
最初は、虫たちや、吊していない風鈴など、あまり目立たないところから始めます。お客さんは片づけ始めると、急に注目するということがありますので、気を付けながら片づけをします。
一時間前になるとそうも言っていられず、カートンも持ち込んでかなり派手になります。一度かたづけた商品を「見たい」と言ってくれるお客様もいて、ロスタイムのゴールみたいでとってもラッキーなことがあります。
売場の方とも、あいさつをして、さわやかに引き上げます。お客様にも喜んでいただけたらうれしいです。
展示会のお知らせ ご感想お待ちしています○工芸たのしみ隊