伝統の「駿河竹千筋細工」

18歳女性が修行

掛川・大村恵美さん、後継制度を活用


今年三月、掛川東高校を卒業した大村恵美さん(18)掛川市園ケ谷=が静岡市の伝統工芸「駿河竹千筋細工」に魅せられ、同市八幡の伝統工芸士篠宮康博さんのもとで修業に励んでいる。
静岡市は今年四月、クラフトマン・サポート制度を創設し、地場産業界の後継者育成に本腰を入れ始めたばかり。早速舞い込んだ新風に、関係者は期待を寄せる。

篠宮さん(奥)のもとで修行をつむ大村さん(右写真)

「じっくり勉強」業界も期待大

小学生のころから工作が好きだった大村さんが、丸ひごを使う竹千筋細工特有の、しなやかで繊細な作風に目を奪われたのは高校ニ年の秋。
静岡で開かれた産業フェアに家族と出掛けた時、「自分で作ってみたい」と思った。

学校の進路相談で先生に切り出すと、静岡竹工芸協同組合に連絡を取ってくれた。
卒業式の四日後には工房に通い始めた。
竹を割ることから始め、作業工程は一通り経験した。
「まだ始めたばかりだけど毎日楽しい。何年もかけてじっくり勉強したい」と大村さん。

伝統工芸もオリジナリティーが求められている。
組合副理事長の篠宮さんは花器や虫かご、盛り器などなじみの作品に加え、新作に柔軟な発想を心掛ける。
「わたしは既成概念が多いので、若い人の意見や感覚も取り入れたい」と篠宮さん。

サポート制度は、現場実習を引き受けた職人に指導料を支給したり、新しい技術を身に付けたい職人に奨励金を支給したりする。
現在までに五業種で大村さんを含む十人が実習制度を利用。市地域産業課は「予想以上の反応」と業界活性化に好感触をつかんだようだ。


静岡新聞 2001年7月26日 より引用しました。


掲載されました(^^)職人さん「駿河竹千筋細工」の技は、これからどうなっていくのかな?

ひとことどうぞさわやか伝統工芸 せんすじ