竹千筋細工の魅力を皆さんに伝えたい

現在、市が丸子に建設を進めている体験工房「駿府匠宿」。
この施設は、静岡市の伝統工芸を知り、体験できる施設です。
黒田さんは、その体験工房で創作指導を担当するインストラクターに竹駿河竹千筋細工を教えています。
「竹千筋細工を始めて52年になります。昔は、ほとんど問屋さんの注文で作っていましたが、最近は、自分の創作ができるようになりました。新しい作品を作るには、それなりの技術が必要だし、思った通りの作品はなかなかできません。でも、苦労してできあがった時はうれしいですよ」。
「駿河竹千筋細工は、繊細な造りですが、柔らかくて、結構丈夫なんですよ。実用的なものを日常的に使っていただければ、作品も生きてきます」。
黒田さんが指導しているインストラクターは、竹千筋細工のほか、和染、漆器、陶芸などの創作指導も行います。
「インストラクターの皆さんには、作り方だけでなくお客さんへの対応の仕方も学んでいってほしいですね」。
「竹千筋細工は、2.3年経てば、自分でそれなりに作れるようになります。匠宿での体験が始めるきっかけになればいいですね」。今年4月の「駿府匠宿」のオープンが楽しみです。

●黒田英一さん
竹千筋細工で市の伝技工芸技術秀士のほか、県優秀技能士、国の伝統工芸士に指定された。68歳、田町1丁目。


静岡人(広報しずおか)1999年3/15号より


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