伝統工芸品って、何からできてるのかな?

「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」(伝産法)でも決められていますが、伝統工芸品は、天然の材料を使って作られています。
材料は、主に、竹、木、などの植物、鉄、どうなどの金属、石などで、それぞれの材料の性質を生かして、製品にしています。

たとえば、竹は、割ったり、曲げたり、編んだりして、籠やお茶道具などに形を変えます。竹という材料の性質を寄りよく生かして作られています。


1.竹。

竹は、木と違って、中が空で節があり、またまっすぐにのびた幹がなめらかで美しいですね。
また、丈夫で軽くて、弾力性があり、「竹を割ったような」と言われる、パン!と割れる割裂性にとんでいます。
昔から、こうした特長を生かして、弓矢を作ったり、丸竹のまま器や水筒にしたり、割ってひごにして編んだり組んだりさまざまに使われてきました。

竹細工には、「駿河竹千筋細工」の他に、籠などが中心の別府竹細工や、茶筅が有名な高山、また越前竹人形などがあります。

駿河竹千筋細工

別府竹細工

別府竹細工

高山茶筅

登呂遺跡から発掘された琴2.木。

2001年2月28日、静岡市の登呂遺跡から、漆塗りの琴が発掘されました。(写真、右)
この琴は、共鳴箱があり船をかたどった槽(そう)づくりと言われる種類です。推定で、長さは100センチ、幅10〜19センチ、高さ6〜9センチで中規模の物です。杉でできていて、黒と朱の漆が二重に塗られているようです。琴の出土は、全国で約50例、登呂では、昭和18年についで2例目ですが、漆が塗られた琴の出土は、化学分析で証明されれば日本初になります。琴は、祭祀で使われたようです。

(参考、静岡新聞 2001年3月1日)

なお、弥生時代のことについて興味のある方は、「津市納所遺跡から弥生時代の琴」もご覧下さい。


木というのは、昔から身近に使われてきたんですね。木でできている物には、家具や食器、下駄など身近な道具があります。また、漆も木からとれますね。

駿河指物

静岡挽物

駿河塗下駄

駿河漆器

3.植物。

竹、木も植物ですが、ゆかたや着物などの織物、ランチョンマットなどの布製品は、その材料となる糸のすべてが植物と関係がありますね。
木綿の糸は綿花から、麻糸は大麻や亜麻から、絹糸はくわの葉を食べるカイコのまゆからとれるのです。また、糸や織物を染める時にも、草や木の汁を使用します。

駿河型染

静岡藍染

草木染蝋纈


4.金属(鉄、銅など)。

金属の文化は、紀元前3000年のメソポタミアから始まったと言われています。日本では、弥生時代から鉄器と青銅器が併用してつかわれるようになり、儀器・宝器として青銅器が、実用的な利器としては鉄器が普及しました。
(参考、青銅器時代" Microsoft(R) Encarta(R))

南部鉄の産地として有名な岩手県では、鉄ぴんや風鈴などを作っています。また、包丁やはさみなとの刃物は、高い温度で熱した鉄をたたいて伸ばして作ります。
銅では主に器や置物が作られています。原料の唐金は、銅・亜鉛・すずの台金で、重厚感のあるできあがりが魅力です。

南部鉄器

高岡銅器


5.土、石など。

土をこねて焼きあげたものを、焼きものといいます。登呂遺跡など大昔の遺跡から、土器や埴輪がでていますね。

全国にはいろいろな種類の焼きものがあり、陶器と磁器に分かれます。違いがわかりますか?
粘士を使ったものが陶器、石をくだいた粉末から作るものが磁器です。
また、庭に置いてある石灯ろうなどは、大きな石を削ったり、組みたてたりして作りました。貴石と呼ばれる「めのう」は、美しくみがいて置物やアクセサリーにも使われています。

焼き物のおはなし;焼き物・陶器・磁器・陶芸・窯元などの情報がいっぱいです。

陶器 (小石原焼)

磁器 (有田焼)


伝統的工芸品の秘密

静岡の伝統工芸品全国の工芸品

日本の伝統的工芸品

ひとことどうぞさわやか伝統工芸 せんすじ