登呂遺跡(とろいせき)について

古来より駿河の地には、良質の苦竹、淡竹が豊富で、弥生時代の登呂遺跡からの出土品の中に竹製のザルが発見されるなど生活用具として、しっかりと根差していたことが伺えます。

吉野ヶ里などの発見ですっかり影が薄くなってしまった登呂遺跡。その前までは、弥生時代の代表的遺跡として各地から修学旅行の学生で大人気でした。

登呂遺跡は、静岡市にある弥生後期の集落遺跡で、杭や矢板をならべて区画したたくさんの水田跡、住居跡、高床倉庫跡などがあり、弥生農村の実態がわか
ります。
遺物類は弥生後期、2〜3世紀ごろの登呂式とよばれる土器を中心に、木製農耕具・狩猟具などが大量に出土まししたが、石製品はそれほど多くありません。
(参考、Microsoft(R) Encarta(R) 97)

この遺跡から竹製の籠やざるが出土しています。当時、登呂遺跡の近くに流れていた安倍川は、現在流れが変わりましたが、上流には、今も良質の竹が生えています。登呂の人々もこの竹を身近に使っていたんですね。

ところで、登呂遺跡は、最近発掘作業が再開されました。吉野ヶ里や三内丸山以上の発見があるとうれしいですね。

静岡市立登呂博物館(閉館中) ‐ 静岡市

「新発見目指し登呂遺跡の再発掘」のページ
http://www2.tokai.or.jp/marco/henbo/toroiseki.htm


登呂遺跡から、漆塗りの琴が出土登呂遺跡から発掘された琴

2001年2月28日、静岡市の登呂遺跡から、漆塗りの琴が発掘されました。(写真、右)
この琴は、共鳴箱があり船をかたどった槽(そう)づくりと言われる種類です。推定で、長さは100センチ、幅10〜19センチ、高さ6〜9センチで中規模の物です。杉でできていて、黒と朱の漆が二重に塗られているようです。琴の出土は、全国で約50例、登呂では、昭和18年についで2例目ですが、漆が塗られた琴の出土は、化学分析で証明されれば日本初になります。琴は、祭祀で使われたようです。

(参考、静岡新聞 2001年3月1日)

なお、弥生時代の琴について興味のある方は、「津市納所遺跡から弥生時代の琴」もご覧下さい。


「駿河竹千筋細工」の由来

ひとことどうぞさわやか伝統工芸 せんすじ