伝統工芸に若い感性松下さんら男女4人
静岡市の伝統工芸「駿河竹千筋細工」の新作展示会に向けて、熟練の伝統工芸士や職人に交じり男女四人の若者が作品づくりに挑んでいる。
同市のクラフトマン・サポート制度で二年間の現場実習支援を受けている19歳から28歳。初の作品発表の場となる審査会は2月4日。若い感性をぶつける。
サポート制度利用初の作品展に挑戦 静岡の駿河竹千筋細工
同市八幡の篠宮茂さん(72)の下で修業する松下愛さん(26)=清水市=は竹の醸す造形美にあこがれ 「自分の手で作りたい」 と師匠の門をたたいた。
当初、会社勤め帰りの夜間に学んでいたが一年後の昨年四月、同サポート制度創設とともに周囲の反対を押し切って会社を辞め、修業に専念するようになった。「若い人たちが日常に使う竹製品からオブジェのような芸術的なものまで挑戦したい」という松下さんは 「新作展に出せるレベルではないが自分からやろうと思わないと何もできない」 とオリジナルの花かごに挑む。
師匠の篠宮さんは 「私の技術が少しでも受け継がれる。こんなうれしいことはない。彼女の若い発想に私も元気をもらっている」 と話し、新作展にチャレンジ、師弟での出品となった。
松下さんのほかサポート制度を受けている大村恵美さん(19)=掛川市=、鈴木俊宏さん(24)=静岡市=、杉山貴英さん(29)=同市=も出品する予定。
作品は審査後の五日から十八日まで、JR静岡駅コンコースの駿府楽市で展示される。
静岡市のクラフトマン・サポート事業は地場産業の後継者育成を目的に教育、実習、独立を支援する制度。実習支援では現在、竹千筋細エ工ほか蒔絵、漆器、家具指物などに九人が支援を受けている。
同市地域産業課は「制度を通して独立した人もいる。厳しい世界だが覚悟を持った後継者が育っている」 と制度の定着を期待している。画像=篠宮さん(左)のもとで駿河竹千筋細工の工芸士を目指す松下さん=静岡市八幡の志乃みや
静岡新聞 2002年1月26日 より引用しました。
格調高い竹千筋細工(2月5日号) 掲載されました(^^)○展示会のお知らせ ひとことどうぞ○さわやか伝統工芸 せんすじ