「駿河竹千筋細工」の経済産業大臣指定伝統的工芸品の条件

経産大臣が指定する伝統的工芸品は、全国で現在194 あります。(通商産業省は、2001年1月6日の中央省庁再編により 経済産業省に変わりました)
これは、昭和49年、国が伝統的工芸品に関する 「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」(伝産法)という法律を作りました。 工房のほとんどが小規模な会社や工場で、さまざまな問題をかかえて いるので、この法律で保護し、育てようというわけです。
この法律で「通産大臣に指定」されるには、いくつかの条件がありますが、伝統的工芸品それぞれにつきましてもいろいろ条件があります。


●経産大臣が指定した伝統的工芸品「駿河竹千筋細工」とは、下記の要件を満たしたものを言います。昭和51年12月23日に指定されました。

●伝統的な技術または技法

1。「千筋ひごづくり」は.次の技術または技法によること。

1、「皮むき」は、「甘肌」部分を残すこと。
2、「くじき」をした後、「荒引き」、「二度引き」及び「仕上げ引き」をする。
3,「煮沸」をした後、乾燥をすること。
4,「もみ込み」をすること。
5,「曲げ」をする場合には、「こて」を用いること。

2.「輪作り」は、下記の技術または技法によること。

1,「煮沸」をした後.乾燥をすること。
2,「みがき」には、もみがら若しくはわらまたは、「左刃」を用いること。
3,「面取り」をすること。
4,「緑曲げ」には「こて」又は「胴乱」を用いること
5,継手の接合は、「はす継手」及び「止めくぎ」によること。
6,「目盛りつけには、「目盛り定規」を用いること。

3,「編み」をする場合には、下記の技術または、技法によること。

1,「煮沸」をした後、乾燥をすること。
2,手作業:よる「へぎ」をすること。
3,「せん台」を用いて「厚み決め」をした後、「幅決め」をすること。

4,「天上」または、「柱」がある接合のその接合は、「丸ほぞ」または「角ほぞ」によること。

5,仕上げをする場合には、木蝋を使用する「みがき仕上げ」または、漆塗りによること。

●伝統的に使用されてきた原材料

1,使用する竹材は、マダケ、モウソウチク、ハチク若しくはクロチクまたは、これらと同等の材質を有するものとすること。

2,釘は、竹製とすること。

3,.漆は、天然漆とすること。

●製造される地域

静岡県 静岡市(旧清水市は、2003年4月、静岡市と合併しました)

●指定品には「伝統証紙」が貼られています。


「駿河竹千筋細工」の指定の条件に、漆または、木蝋仕上げとなっています。
木蝋ってご存じですか?国語大辞典(新装版)小学館 1988によると、

もくろう 【木蝋】
黄櫨(はぜのき)の果実から採取される脂肪。化学的には脂肪であって蝋ではない。摂氏五二〜五三度で溶ける。採取したままのものを生蝋、漂白あるいは脱色したものをさらし蝋という。蝋燭、つや出しなどに用いられる。日本蝋。

となっています。でも、最近では、ほとんど使われません。
というわけで、クリアラッカー仕上げは、100年前には、もちろんありませんでしたが、防かび、防汚処理と言うことで、許可していただいています。
でも、漆塗り以外の着色については、伝統工芸品シールを貼ることができません。技術的には、何も支障がないので、現在「伝統的工芸品産業振興協会」さんにもお願いしています。


なお、このほかにも大まかな指定条件があります。こちらをご覧下さい。

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