★ 作者紹介 ★
熟練の技とセンス 時代にそった新しい製品を
伝統工芸士 小林 昭輔
「私なりの竹千筋細工。今回の受賞作品「角切盆」もそうですが、千筋と編組(へんそ)の組み合わせ方が課題なんです」。
駿河竹千筋細工は、国の伝統的工芸品として指定され、丸ひごを使用するのが特徴です。
「常に次の商品、新しいデザインを考え、休日にも、ガラス細工や陶芸などを見たり...。
展示会での実演時には、お客さんからもヒントをもらいます」。
伝え受け継がれた技法・技術を守りながら、斬新なデザインを探求する小林さん。
そして、「細かな作業は妻に手伝ってもらっています。ここまでこれたのも妻のおかげです。二人で一人分ですね」と感謝の気持ち。
しかし、この業界も六十代が多く、後継者が必要です。
「昔と違い、多品種少量生産のため、仕事内容が変わりやすく、覚えることも多いですが、このまま私たちの代で終わらせたくないですね。真剣に後継者を育てたい」。
「この仕事をしていてとても嬉しいことは、「小林さんの製品だから」といって買ってもらえること。
今後、消費者に受け入れられる、安価で、若い人たちにも使ってもらえるような製品作りをしていきたいです」。
手作りならではの竹千筋、繊細さとしなやかさの奥に、職人の技と心が見えます。
●小林昭輔(しょうすけ)さん
静岡竹工芸協同組合主催の竹千筋細工新作展において、3度目の関東通産局長賞を受賞(柳町・69歳)
静岡人(広報しずおか)2000年3/15号より
[作品]には、花器、行灯、茶器 などがあります。